朝、ベランダへ出るたびにため息が出る。せっかく真っ赤に色づいたイチゴが、今朝も無惨に地面に転がっていたんだ。カラスのやつら、本当に一番甘いタイミングを正確に狙ってくる。空豆もよさげに実ったやつから食われてしまう。今年の鳥害には正直、完敗だよね。

気温が上がってきたせいか、イチゴの花もパタッと咲かなくなった。プランターの隅で、枯れかけた葉がカサカサと音を立てているのを見ると、季節の移り変わりを痛感するよね。収穫の喜びは束の間で、もう次の準備をしなきゃいけない時期が来たんだ。
ここからは来年の収穫を左右する、大事な苗作りの時間だ。ベランダ菜園でイチゴの収穫期が最終盤を迎える今、6月からの苗作りをどう進めるべきか。さらに、今まさに順調に育っているトウモロコシや人参、ちょっと珍しいコールラビの様子まで、俺の失敗と成功を交えて詳しく伝えていくよ。
イチゴの収穫期が終わる寂しさとカラスとの知恵比べ
食べ頃を正確に狙うカラスへの敗北感
あいつら、どこで見ているんだろうね。ベランダの柵越しに、一番大きくて形が良いイチゴだけを選んで突ついていくんだよ。ネットを張ってはみたものの、隙間を見つける天才かと思うくらい巧妙に侵入してくる。空豆もさ、さやがパンパンに膨らんで「明日あたりが収穫かな」なんて楽しみにしていた矢先に、赤く実った実だけ綺麗に食べられちゃったんだ。
60年生きてきて、多少の困難には慣れているつもりだけど、手塩にかけた野菜を横取りされるのは、何度経験しても血圧が上がる。鳥よけのCDを吊るすのはもう古いし、カラスの模型も数日でバレる。結局、物理的に隙間をゼロにするしかないんだけど、それがまたベランダだと風通しが悪くなって病気の原因になったりする。本当に、このバランスが難しいんだよね。

暑さで花が止まったイチゴのサイン
最近の昼間の暑さは、イチゴにとっても限界を超えているみたいだ。つい先日までポツポツと咲いていた白い花が、ここ数日でパッタリと姿を消したんだよ。株全体が「もう収穫は終わりだよ」と言わんばかりに、葉を広げて光合成に専念し始めた。これが、収穫期から育苗期へと頭を切り替える明確なサインなんだ。
イチゴはもともと涼しい気候を好む植物だから、30度近い日が続くと子孫を残すための「実」よりも、生き残るための「株」の維持に力を使い始める。ここで無理に実を付けさせようと肥料を追肥しても、株を弱めるだけ。潔く収穫を諦めて、次のステップであるランナー(蔓)の管理に意識を向けるのが、来年の春にまた甘いイチゴを食べるための近道なんだよ。
6月から勝負!イチゴの苗作りを成功させるコツ
ランナー選びで決まる来年の収穫量
収穫が終わると、親株の脇からピュンピュンと細い蔓、つまりランナーが伸びてくる。これが来年の苗になるわけだけど、どれでもいいってわけじゃないんだよな。教科書によると、親株から一番最初に出た「太郎苗」は使わないのが鉄則だ。親から直接病気を受け継ぎやすかったり、生育が不安定だったりすることが多いらいしいからね。
狙い目は、2番目、3番目に葉が出る「次郎苗」や「三郎苗」が良いそうだが、こいつらは親のしつこい性質を適度に脱ぎ捨てて、自力で根を張る力が強い。小さなポットをランナーの先に置いて、ピンで固定する作業は腰にくるけれど、この地道な作業が来年の豊作に直結する。ベランダという限られたスペースで、いかに元気な苗だけを選抜するかが、腕の見せ所なんだよ。
猛暑を乗り切るための育苗管理
イチゴの苗作りで一番の難関は、これからやってくる夏の猛暑だよ。小さなポットで育てる苗は、油断するとあっという間に土が乾いてカラカラに枯れてしまう。かといって、水をやりすぎると今度は蒸れて根腐れを起こす。この「乾かしすぎず、湿らせすぎず」という加減が、ベランダ菜園では本当にシビアなんだ。
真夏の間は午前中だけ日が当たる場所に苗を移動させている。ベランダの床の照り返しは想像以上に強力だから、スノコを敷いて直接熱が伝わらないようにするのも欠かせない。イチゴ苗を枯らさずに秋まで維持するのは、実は実を収穫するよりも難しいんじゃないかと思うこともある。でも、ここで生き残った強靭な苗だけが、来年の春に立派な実をつけてくれるんだよね。
期待の夏野菜たち!トウモロコシと人参の成長記録
ベランダでトウモロコシを育てる醍醐味
イチゴの隣では、トウモロコシがグングン背を伸ばしている。ベランダでトウモロコシなんて無理だと思うかもしれないけど、深めのプランターを使えば意外と立派に育つんだよ。今はまだ10~20㎝にしか育ってないけど、風に揺れる細長い葉を見ていると、都会のベランダが一瞬だけ田舎の畑に見えるような気がして、ちょっとした癒やしになる。
ただ、トウモロコシは受粉が命だよね。広い畑なら風が運んでくれるけど、ベランダだとそうはいかない。複数の株を並べて置いて、雄穂が出たら手でパタパタと揺らして確実に花粉を落としてやる必要がある。この「手助け」をしてやらないと、実がスカスカの残念なトウモロコシになっちゃうんだ。自分で手をかけた分だけ、甘い実が詰まった時の喜びは格別だよ。まあ、畑とは違って怖い害虫のモロコシは受粉が命だよね。広い畑なら風が運んでくれるけど、ベランダだとそうはいかない。複数の株を並べて置いて、雄穂が出たら手でパタパタと揺らして確実に花粉を落としてやる必要がある。この「手助け」をしてやらないと、実がスカスカの残念なトウモロコシになっちゃうんだ。自分で手をかけた分だけ、甘い実が詰まった時の喜びは格別だよ。まあ、畑とは違って怖い害虫のアワノメイガなんかは飛んでは来ないので、その分ちょっと安心だけどね。
人参の芽が出た瞬間の安堵感
人参の種を蒔いてから数日、土が盛り上がって小さな緑の双葉が顔を出した時のあのホッとする感覚、こればかりは何度やっても変わらない。人参は「発芽すれば半分成功」と言われるくらい、芽を出すまでが難しいんだよね。乾燥させないように毎日不織布を被せて霧吹きで湿らせていた努力が、ようやく報われた瞬間だよ。
ここからの間引き作業も、また神経を使うんだ。残す株を傷つけないように、ヒョロヒョロと育った弱そうな芽を抜き取っていく。少し可哀想な気もするけど、これをやらないと立派な人参には育たない。ベランダのプランターという小さな宇宙で、生存競争をコントロールしてやるのも、俺たち家庭菜園愛好家の重要な役割なんだ。
最近ハマっているコールラビ栽培の面白さ
見た目の不思議さと食感の魅力
今年、初めてコールラビという野菜に挑戦しているんだ。見た目はまるでUFOか、あるいは地上に現れたカブの親戚みたいな不思議な形をしている。茎が丸く膨らんでいく様子は、毎日見ていても飽きない面白さがあるよ。キャベツやブロッコリーの仲間なんだけど、こいつの良さはなんといってもその食感なんだ。

生で食べればリンゴや梨のようなシャキシャキ感があるし、火を通せばカブよりも崩れにくくて甘みが引き立つ。ベランダでも病害虫に比較的強くて、今のところは大きなトラブルもなく順調に膨らんでいる。青虫が食べるのは葉っぱだし、こちらが頂くのは茎の部分なんで棲み分けもできてる??
こういう「ちょっと変わった野菜」を育てるのは、近所の知り合いとの会話のネタにもなるし、家庭菜園の楽しみを広げてくれるよね。
追肥のタイミングと害虫対策の現実
コールラビの茎を立派に膨らませるには、タイミングを逃さない追肥が欠かせない。本葉が5〜6枚になった頃に、パラパラと肥料を足してやる。この時に土を少し寄せて株を安定させるのが、綺麗な丸い形にするコツなんだよ。肥料が足りないと、あのかわいいUFOがひょろ長い変な形になっちゃうから注意が必要だ。
ただ、アブラナ科の宿命として、やっぱり青虫には好かれるね。ベランダだからと油断していると、どこからかモンシロチョウがやってきて卵を産み付けていく。朝の涼しい時間に葉の裏を一枚ずつチェックする「テデトール(手で取る)」作業は、もう習慣みたいなものだ。農薬に頼らず、自分の手で守り抜いた野菜を食べる。その安心感こそが、わざわざ狭いベランダで土をいじっている最大の理由かもしれないな。
さて、話してたらまたカラスの鳴き声が聞こえてきた。あいつ、さっきから物干し竿の上で俺の様子を伺ってやがるんだ。そろそろネットの隙間を塞ぎに、ベランダへ戻ることにするよ。


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